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石家庄往復顛末記

〜中国火車迷たちとの邂逅〜

T511次 石家庄行き 北京西駅  中国に移り住んでからというもの、授業が始まる前は撮影のため北京駅(付近)通いが続きました。授業開始直後には北京ー天津間の城際特快(「神州号」)に乗りました。 せっかく北京に来たのだから”せめて日帰り”が出来る列車にでもと、乗る列車の目標(北京ー天津、北京西ー石家庄、北京ー秦皇島、北京北ー八達嶺) を決めていました。だから時間さえあれば、中国に滞在している間は、上記の列車を全て乗り潰すつもりでいます。だから割と近い石家庄に行くのも時間の問題でした。

 石家庄行きの切符は大学の近くにある北太平庄の切符専用売り場で買いました(5元の手数料がかかる)。ここは目立たない建物なので、北京大学近くの切符売り場でダフ屋がウロウロしている光景とは違い、のんびりした所です。 行きは9月25日の「T511次の軟座、60元(時間帯によって切符の値段の差が10元違う)」を購入し、発車当日までにこにこしていました。よく「石家庄に行って何するの?」と聞かれましたが、特に観光の予定も無く(うまい店があれば寄るが)、午後いちの列車で北京に戻る予定でした。


T511次 石家庄行き 北京西駅  T511次は朝の7:35に発車しますが、朝大学側の停留所にバスが来ず、さらに西単でもまたバスが来ず、ようやく北京西行きに乗ったバスがなんと「豪華バス乗車3元」と高い犠牲を強いられましたが、発車20分前にはホームに立つことが出来ました。
さてこのT511次は北京西ー石家庄の城際特快として1999年から走り始めました若い列車です。1日に往復14本出ていて、主に2階建て座席が主流です。編成は硬座10両、軟座1両、電源車1両の計12両です。 硬座、軟座とも大体埋まっています。それだけ需要が多いのでしょう。

 列車が走り始めてからしばらく車内の写真や外の景色を撮影していましたが、一人の中国人乗客が「君、列車すきなの?」と聞いてきたので「そうだ」と答えた後、彼の席に行って色々話しました。彼の名は王哲さんといって、彼自身も中国鉄道サイト を持っていて、つたない会話でしたけれど、色々話しました。途中、高碑店駅でSLを発見しましたが、その前に銃剣を構えた解放軍が前にたたずむ貨物列車があったので撮影できませんでした。彼は今日保定で仕事があるので、下車しましたが、あとで電話があって、「石家庄で友達を紹介するよ」と 伝言を残してくれました。

 列車は10:20に石家庄に到着しました。下車した後、自分の名前を呼ぶ声が聞こえるので、振り向くと3人の中国の方がホームで出迎えてくれました。彼らはの名前は張乙彗さん、高鵬さん、王琳さんで王哲さんの友達だそうです。彼らも中国鉄道サイトの仲間です。初め「どこに行きたい?」と聞かれ、状況がよく分からないので「機関区」と適当に答えたら、ホームの端に行って線路に下りて、「走把!」と言ってきたので、

えええーっ!?改札口から出なくていいんですか?と聞いたら「没問題」と答えが返ってきました。

石家庄 客車牽引 機関区  すばらしい・・・。中国鉄路は駅待合室以外はとてもフレンドリーなのか?と感動しました。実際客車機関区に行く途中、幾人もの鉄道職員に出会いましたが、何一つお咎め無しで機関区に入ることが出来ました。日本じゃ即罰金モノです。

 さて駅から5分ほど歩いたところに客車牽引用機関区はありますが、入れ替え用機関車が今か今かと自分の牽引する客車待ちをしていました。機関区の奥に行き、色々な機関車を撮影すると(途中塗装中の機関車、DF4も見ました)、「工場の中に入ろうか」と彼らはさっさと工場の中に入っていきました。 工場の中にはSS8型機関車の台車交換が行われており、子供の頃、写真でしか台車交換を見たこの無かった私にとってはとても感動です。機関区にはSS8型の他に、SS9型やDF東風型など様々な色彩とバリエーションがあり、我々の目を楽しませてくれました。工場で働いている従業員も我々の存在を気にせず、黙々と働いていました。
 昼食を石家庄駅前で摂ったあと、帰りの切符を買いに切符売り場へ。難なく切符を手にしたあとは、彼らの友達が漢中に行くということで、月台票(1元)を買い、出口から入って、友達の乗る列車のホームに走っていきました。駅での出会いと別れの風景は万国共通のようで、彼らも友達との別れを惜しんでいました。その後仲間の李さんと武さんも合流しました。

 友達を見送った後、隣のホームに行こうと言って、隣のホームに行き、停まっている回送用の客車(YZ22型)に「乗ってみな」といい乗り込みました。これからどうするのか?と聞いたら、「これで客車車両基地まで行く」というので、びっくりしました。

回送用客車はタダ乗りできるんですかー!?

北京西ー重慶ー石家庄の普快 SS8型の台車交換 回送用硬座車の内部 硬座に揺られて車両基地へ


車両基地でじっくり客車を堪能したあとは、貨物駅がそばにあるから行こうということで、貨物駅へ。 貨物駅は石家庄車両基地から歩いて20分くらい南側にあります。貨物駅に行っても、作業の邪魔になるんじゃと考えながら行った先は、今度は貨物駅機関区。

RW24型寝台 東ドイツ製 付近を走る貨物列車 貨物機関区入り口 半分の北京型

そして、「この機関車乗れるよ」と指差したのが貨物専用永久2両連結器のあるSS4型(さっきまで走っていました)にみんなで乗り込みました。

中国の機関車って運転席に勝手に乗ってもいいの!!??。

ちなみに日本の場合、新幹線の運転席に入ると間違いなく100万前後の罰金が待っています。

回送する”くたびれた”SS1型 貨物用電気機関車 SS4型 SS4型 運転席内部 石家庄駅前で集合写真

 機関区の方々も1部を除き、とてもフレンドリーに接してくれました。その後は時間が来るまで、線路付近で休憩を取り、夕方にはT514次で北京に戻らなければいけないので、5時には石家庄駅行きのバスに乗りました。帰りの列車は18:40発で、全員、石家庄の軟席候車室まで送りに来てくれました。 たった1日という短い時間でしたが、彼らと行動を共にして、とても楽しく、かつ強力な思い出を作ってきました。
夜、王哲さんからどうだった?との電話が入り、私は彼に感謝の意を表すと共に、今度は北京で一緒に撮影会を行おうと提案をしました。時間があればまた石家庄に行き、彼らと行動を共にしたいです。

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