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新時速T808次乗車記、深センー広州東

新時速号

 新時速はスウェーデンからのX2000車両をタダでも貰ったため、中国側製造の車両ではない。この列車は始発と最終の広州東ー深セン往復を除けば昼間の運行は香港までである。無論この時間は深センは停車しない。

新時速の運行時間は以下の通りである

T805次:広州東6:40−深セン7:35
T806次:深セン7:58−広州東8:53
T801次:広州東9:40−東莞10:15−九龍11:20
T802次:九龍12:15−広州東13:47
T803次:広州東14:53−九龍16:25
T804次:九龍17:15−広州東18:47
T807次:広州東19:24−石龍20:24−深セン20:29
T808次:深セン20:49−東莞21:22−広州東21:54

料金は広州東−香港:230HK$、広州東−深セン(途中停車なし)80元、広州東ー深セン(途中停車あり)75元である。全て軟座。ちなみに途中乗車の場合、全て無座扱いになるが、料金は軟座と同じ料金である。切符表記は途中停車なしなら高速、途中停車ありなら準高速と書かれる。

 この列車に乗る方法は香港に行くなら時間帯も決まってしまうが比較的容易だ。しかし中国国内で乗車する場合は早朝か夜遅くなるのでそれなりの準備をしなければいけない。18日は夜まで待ってから深センから乗車した。 深セン−広州東行きの新時速最終便はT808次の20:49発なので、これに乗りたければ深センのどこかで時間をつぶさなければいけないが、深セン駅周辺はスリが多いので、どこかの喫茶店かレストランで待つことをお勧めする。

新時速新時速
 夜の20時台は深セン発の準高速の数が5本あり、普通に切符売り場で「広州東1枚」と言うと準高速切符をを渡されてしまうのできちんと「T808」と言うか紙に書いて渡したほうが良い。発車20分前には必ず改札の案内があるので、それまでは大人しく候車室で待っている。

 改札が始まると人の群れが多いので、発車20分前になったら改札口に立っていても問題は無い。列車の止まるホームは改札から続いているので移動に時間はかからない。列車は7両編成でそのうち7両目に車両と同じデザインの動力車が来る。色は車両正面が赤と青のツートンカラー、車両横はステンレス車体に赤と青の帯が入っている。この列車は時速200`で運転される。同じ香港行き列車であるKTTと準高速は160`なので新時速の方が一番速い。 また広州(東)−深センを往復する、ドイツのICEのコピー藍箭も200`出せるが、そこまで速く出しているの見たことがない。関係ないが、この車両が小田急のロマンスカーに時たま見えてくるのは私だけであろうか?

 ところでなぜスウェーデンの車両がこの広州デルタ地帯に導入されたのかが理解できない。この列車X2000は北欧のフィヨルド地形対応のため車両が振り子式だから、福建省か四川省に高速鉄道を設けてそこで走らせればそれこそ効果はあると思うのだが・・・。結局自国で高速列車を造るのか(中華之星の失敗で可能性はゼロにちかい)、他国に寄生するのかはっきり示すことが出来ない今の中国側の迷いを具現化した列車導入の始まりがこの新時速からである。

新時速、軟座車両亀ゼリー7元
 軟座は76人乗り、こちらは対面席だった。対面座席の場所はバラバラ。木目調の材質が使われているがかなり色あせている。始めから手を入れていないことだろう。たびたび言うが中国は放置プレーの王様である。機械類なら壊れるまでそのまま続ける。壊れたら直す技術が無いから直せない、直さない場合がほとんど。『動けばいい』『乗せてやる』といった古くからの国営の悪しき習慣である尊大な態度がそのまま実行されている。いい車両なだけに勿体無い。ちなみに自分は2号車に乗ったが、2号車の座席ライトは半分以上が壊れています。

 服務員は今回は全員男だった。といってもやはり顔で揃えている感じがする。制服は黒目の紺色で夏だから白を用いればいいのにと思う。勤務態度はいたって真面目。どの辺が真面目か?それは喋り方。ある程度中国に住めばこちらの発音も丁寧か雑(投げやり)かはすぐに分かる。全ての乗客に対して丁寧語?を用いる態度はさすが国際列車の任務についているだけのことである。

 列車は深センを発車すると速度を徐々に上げている。速度200`の感覚はなんとなく分かる。ガタガタとそれなりの振動も来るのでちょっと怖い。振動場所は内装の継ぎ目から来る場合が多い。床下からも聞こえてくる。こちらも手を入れていないよのばればれなくらいお粗末である。外は完全に真っ暗。どこを走っているかも見当もつかない。時刻表のみが便りである。

 ところでこの新時速うれしいことに列車発車ご10分ほどすると水とジュースだったがウエルカムドリンクがある。香港行きで同じサービスを行なっている列車はKTT。広州東ー深セン間での城際特快でこのサービスをやっている列車は新時速しかない。トイレ飛行機と同じ?気動増圧衝洗で停車中でも使える。車内販売は色々なものを扱っているが、亀ゼリー(7元)は始めて見た。女性に人気があるらしいが、爬虫類の料理は自分は苦手だ。この前みた元清平路の魚屋の大量の亀もこの亀ゼリー行きになるのだろうか?
 乗車している2号車は満員。だけど途中の東莞駅でほとんどが降りた。東莞駅からの乗車はパラパラ。向かい側に座った現地の兄ちゃんは、無座切符なのでどこに座っていいか分からないと困った顔で聞いてきたので、適当で大丈夫だよと答えた。

 東莞を出るとまた時速200`の世界へ。相変らずガタガタ、ギィィは勘弁してもらいたいが、早いことには変わらない。広州東車両基地を過ぎる頃に速度が落ち始める。 列車は2分ほど遅れてホームに入る。今度は出口に一番近いホームだ。最終列車を意識してか乗客のために?出口側まで行くのはいい心掛けです。走行時間は70分というところか。列車から降りて10分ほどホームにいたら、ホームの電気消えてしまいました。あわてて出口に向かうこととなった。

広州東駅に着いた新時速広州東駅に着いた新時速
新時速は普段の広州に住んでいる方でも中々乗る機会が無い高速列車だ。もし一度興味があって乗ってみたいと考えるならば、早起きをして深センか広州東から乗車することをお勧めします。


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