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T15次乗車記

乗車した列車番号 乗車区間 切符の種類 切符の金額 乗車した日付 乗車した時間 乗車した距離
T15次
北京西ー広州
新空調一人軟包特快臥下鋪
1629元
7月17日〜18日
22.01時間
2294キロ
高包車両の特徴・・・16人乗車です。部屋が8つあり、左から4人部屋、2人部屋、2人部屋、個室、個室、2人部屋、 2人部屋、2人部屋、シャワー室です。2人個室はベットが下段2つずつで、1人個室は片方のベット側にはシャワー室があります。

電源の有無・・・通路側に2箇所、一人個室にあります。通路で電源を使っていたら乗車の警察に注意されました。
シャワー室・・・扉が閉まっていたので中を最後まで見れませんでした。
乗車できる車両の編成・・・硬座2両、硬臥12両、軟臥1両、高包1両、餐車1両です。所属は広州鉄路です。

T15次広州行き特快  北京西駅に着いたのが発車約1時間前でした。切符には「新空調一人軟包特快臥」と書いてあります。当然軟席候車室に 向かうわけですが、オール軟臥のZ(直達特快)列車の登場で、軟席候車室も人で溢れかえっていました。 空くまで座れないのです。
先に発車するZ17次(長沙行き)の改札が始まったため、荷物だけ置く場所を確保しました。 軟席候車室といえば昔はお金持ちと外国人が使えるいわば特権階級の象徴みたいな部屋でしたが、いまや軟席の切符を手にしていれば 誰でも利用できると言う意味で全軟臥編成のZ列車の登場は中国人のステータスを向上をあらわしています。

 発車30分前に改札が始まり、プラットホームには一番乗りでした。北京西駅も北京駅同様プラットホームの底上げで (車両の入り口と同じ高さ)、これは利用する側のための造りであり、この前のダイヤ改正がもたらした画期的 なシステムのひとつと考えています。
 もともとT15次に乗るつもりはなかったのですが、以前からうわさされていた 個室(一人部屋)の存在が気になっていて、大枚(1629元)をはたいてもの事実を確認したいという願望から決めました。


T15次個室用シャワー室  列車は定刻通り北京西駅を発車しました。まだ明るいですが、次第に暗闇になっていく空に向かい22時間の旅が始まった のです。高包はすべて埋まっていました。多くは夫婦かビジネスマンで、1人個人乗車は自分だけだったかと思います。もうひとつの 1人個室は外人カップルが共有していました。

 高包の部屋をチェックしました。車両は25kRWで、軟臥も同じ型でしたが、k型でも初期型という感じです。これは軟臥や硬臥にもいえます(後期型は軟臥はTV付き、硬臥は半開放型の、電源つきです)。 個室にはまずテーブルの下に電源があります。またベットの通路側にTVが設置されています。個室のシャワー室ですがお湯は出ますが、蛇口から出る激しい水道みたいです。
 夕食は食堂で食べましたがメニューが少ないのが気になりました。注文や追加のとき、服務員はそれなりの対応をしてくれました。 食後、車両内を運動がてら散策してみました。硬臥車両は、北京卓球云々の小学生が2両占領していました。みんな、広州まで乗っていったのです。
 硬座車両(253元)は天国と地獄と表したくなるくらい隔離されていました。席に座れない無座の乗客たちが通路やデッキに立っていて、隔離されたドアのガラス越しに見える硬臥車両をうらやましく眺めていました。最近、硬座車は一部犯罪の温床となっていて、軟臥車両や硬臥車両の多い特快の上級クラスでは硬臥車や食堂車に行くことが許されません。食事を取るために硬座の人間に許される ことは時折通る車内販売でお腹を満たすしかありません。
 自分は夕食後の運動を終えたら、パソコンで日本から持ってきたDVDなどを鑑賞しました。結局12時過ぎまで (鄭州あたり)起きていました。

 朝は、長江を渡っている武昌で目覚めました。ただ実際に起きて朝食を取ったのは長沙停車の30分前でした。メニューは20元でパンとスクランブルエッグとハムとミルクティーです。 あとで乗ったK100次(こっちは20元で16種類のメニューが食べ放題だった)と比べると、かなり見劣りしてしまう のはやっぱり、地方の列車運営のレベルの低さという次元で来ているとしか言いようがありません。服務員や食堂車の方々は親切でしたが 親会社(広州鉄路)意識改革をしてもらいたいものです。

長沙駅のぶっかけご飯  長沙駅で高包の乗客の半分は降りてしまったので、とりあえず切符は目的地まで買わなくても良いみたいです。

 湖南省から広東省にはいるともうトンネルの連続で、それも線路は山を切り崩したところに敷いています。複線ですが、何分か置きにすぐ列車とすれ違います。 来年6次のスピードアップ計画が予定されていますが、トンネル多い西南や南部地方はまだまだ先のように思えます。どうしても線路の容量が追いつかず、 複々線化を行うにしても莫大なコストと時間がかかるからです。トンネルの連続から抜けると、外の熱気が車両の中にも来ます。広東は暑いんだと実感が湧きます。

 先に感想を言わしてもらえれば、T15次は昔からある中国の習慣をズルズルと引きずった田舎列車です。階級があり、弱者に厳しい列車です(それでも寝台券を持っていない親子を 食堂車に滞在させていたのは田舎ならではの良さが出ているのか?)。ただ唯一の個室を搭載しているため王様気分を味わいたいのなら (もしくは一人個室を体験したいのなら、また目的地までの速度もかなり早いので)この列車の環境はさいこうでした。

 広州駅には定刻通り16:25に着きました。高包担当の女性服務員に笑顔で見送ってもらいながら、出口への階段を下りていきました。さすが広東、夕方でも蒸し暑いです。本来ならここで一旦外に出て、深セン行きの切符を買うのですが、外へでる地下道の途中で販売していました。

次回は、九廣鉄路豪華車輌往復記をお送りします。

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