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鉄の屑作戦 牡丹江往復 6.16(木)

 この日からハルピンでは晴天が続いた。今日は牡丹江往復だけど、理由がニセ新幹線(北亜)に乗車してみたいという不純な目的のみで牡丹江の観光地の事は調べていなかった。切符は当日の朝に買いに行く。乗車予定の列車はN1次とN快速の1番号なのでゲンを担いで切符を買いに行ったが軟座は扱っておらず硬座のみだった。朝8時に発車だが、改札は発車20分前に開くとのんびりしていた。 車両は25Gでディーゼル機関車牽引。これも硬座料金で硬臥に乗車できる車両が連結されていた。行きは特急タイプではないようだ。

発車待ちのN1次N1次のサボ

 哈爾濱ー牡丹江間でも3種類のタイプのN快速が走っており、
N1/4次 25G 硬座編成(49元)
N2/3次 ステンレス車、軟座あり(76元)
N11/2次 NDJ1ディーゼル特急。オール硬座(49元)

と1日片道3本出ている。N1〜4次はノンストップだ。

 列車は8時に発車。2つ目の陸橋をくぐる頃は既に濱綏線(ハルピンー綏芬河)に入っている。ハルピンー満洲里とハルピンー綏芬河(すいふんが)間、敷かれている線路は元々はロシア帝政時代に造られた線路で、『東清鉄道』と呼ばれた。ロシアは1858年に現在のウラジオストックを含む沿岸地帯を手に入れたがその後シベリア鉄道でウラジオストックからモスクワまで物資を運ぶ際、ハバフロスク経由なのでものすごく迂回する事になり、ハルピンの租借権を獲得した際、満洲里と綏芬河の1510キロの間にショートカットできる東清鉄道を1897年から1903年の間に建設した。この間、支配者は帝政ロシア→日本→ソ連→中共と変遷を遂げている。現在でも満洲里と綏芬河はロシアと国境を接しており、牡丹江はその途中にある。また余談だが、ハルピン東ーウラジオストック・ハバフロスクの国際列車(N23/4次)は水曜日と土曜日発車します。

 ハルピンー牡丹江の距離は364キロでN1次は4時間14分で走る。列車が発車して25分ぐらいしたら乗車した車両の若い男性服務員が突然立って車両の隅まで歩き、丁寧にお辞儀をしたあと自分の名前と業務内容を言い、また深々とお辞儀をした。一瞬何事かと乗客は驚いたがやがて拍手が沸き起こった。予想外とはこのことで、車両と切符をみて服務員の態度にはまあこんなもんかと軽く見ていた自分には意外な事だった。地方の鉄道局でこんな礼儀正しい服務員がいたとは知りませんでした。こういった素から優秀な人材は是非直達列車や特快列車に配置されてもらいたいものです。真面目な彼らがいるだけで中国列車のイメージは大分変わります。

 ハルピン駅にはもうひとつ大きな駅「ハルピン東駅」があり、98年までは長春方面からの大体の列車はここが終点だった。また現在でもハルピンから先の長距離列車はハルピン東駅が始発となる。ハルピン市の地図を見ると線路が環状線になっている部分がある。通過するのはほとんど貨物だが、ハルピン東ー香坊ー王兆屯ーハルピン・・・と明らかに半周して佳木斯方面に向かう列車もある。大阪環状線の大和快速みたいだ。

 線路は最初は単線だが、いくらか進むと複線になる。旅客よりも貨物が多く、すれ違うのはほとんど貨物だ。 景色はしばらくは丘陵が続く。その後山の中に入ったり、水田地帯に出たりとめまぐるしく変わる。終点に近づくとなだらかな丘陵と水田と小川のとても綺麗な景色が見えてくる。しかも天気は晴れていたので見ごたえはあった。

 4時間の耐久硬座は終わり、列車は1番ホームに入っていく。牡丹江駅先ほど述べたハルピンー綏芬河行きの他に、佳木斯、東方紅、そして吉林省方面の図們や延吉に通じる線路はあるが列車の本数は多くない。
牡丹江駅前牡丹江駅

 一旦ホームを出てすぐ帰りのキップを買いに行く。N12次の硬座を買えた。これは『北亜』型の車両だ。切符売り場からホームの奥にひっそりと展示されている蒸気機関車があった。C2型で『牡丹江号』と紹介されていたが人目につかない場所に放置されているため勿体無い。牡丹江駅は先の述べた通り1903年開業である。

 時間があまり無いので食事をして撮影をしてから戻る事にすると陸橋をわたり、下を通過する列車を待っていたが来なかった。お昼は餅(クレープ?)を食べたが、注文する量をを間違えて自爆しました。再び陸橋から牡丹江駅を見ると今度は正面左に展示されている蒸気機関車を発見したが確認は取れず。先にN2次ハルピン行きが発車するのでそれを見終わったら駅に向かう。

牡丹江号のC2型蒸気機関車N12次のサボ

発車待ちのN12次、北亜型半分動力、半分座席

N12次の硬座N12次の車両番号

 乗車する列車は予想通り『北亜型』だった。切符は1号車で、見た目は車両の半分が動力部分、半分が客車だったが、実際乗車できるのは2両目(1号車)で先頭車は従業員用だった。しかも今回の服務員は朝の真面目な従業員と違って無能系だったので。もうがっかり。乗車する車両案内は普通腕と指を使って乗客に案内するのだが、このあふぉは顎を使って乗客にこちらの車両に行けと指示していた。 きたよ最強最低なオタンコ職員だ。乗客はガラガラでみんな空いているところに移動してしまい、リラックスは出来た。車両は硬座だけど軟座に近い仕上げをしている。これなら初心者でも安心して乗れる車両ですが、従業員が葛揃いなので不快な思いをしたくなければこの列車には乗車しない方がいいです。しかも車内販売ないし。ここまでサービスの無い列車乗車は初めてだ。
午後の牡丹江近郊午後の牡丹江近郊

 列車は最高速度が25G120キロより速い140キロ設定のため、途中停車が多いが若干速く感じる。ハルピンまで4時間半かかるが、そんなに過ごしたと言う実感は無い。

 ハルピンに到着後、食事を済ませてからT262次高級軟臥切符を買いに行ったらやはりあった(20:30過ぎ)。この辺の悪運は強いです。ホテルに着いてパソコンの電源をつけっぱなしにしたまま寝てしまった。  

発車待ちのT18次北京行きハルピン駅に着いたN12次

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