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鉄の屑作戦 哈爾濱ー大連:T262次 6.17(金)

この日の夜、ハルピンから大連行きの夜行に乗るわけだが、発車時間が夜21時過ぎなのでそれまで時間が空いてしまうのでどうするか考えていた。結局チェックアウトの時間までホテルに滞在し、荷物をホテルに預けてあと午後から涼しくなるまで撮り鉄に行った。

 ハルピンで撮り鉄が出来そうな場所は影が出来る陸橋の下辺りから侵入することだが、距離もそこそこあり日差しも強いので出来るならバスに乗車してそこまでいこうと考えた。下見の際乗車したバス(黄色)で撫順街の通りで降りてそこからは歩いていった。陸橋の下に来たとき去年無かった壁が建てられ、しかも警備員までいた。 実はこの陸橋の下は線路を渡り終えると貨物駅に出るが、誰でも自由に出入りできるため線路の侵入横断は地元の人なら誰でも行なっており、安全上線路への侵入を防ぐために設置されたものだが、さすがそこは中国。必ずどこかを外してくる。だから侵入ポイントはすぐ見つかった。

重連SS9K58次、ハルピンー上海行き

 一旦ホテルまで戻り、十分休憩を取ったら出陣。お昼は食べていなかったが、朝食べ過ぎたので要らなかったが、水だけは携帯していた。仮にこの日の気温が30度だとしたら線路の気温は50度まで上がる。その時水分補給をしないと脱水症状になる危険さえある。幸い陸橋の下は十分な日陰スペースが出来ていたので暑さにはそこまで苦労はしなかった。

 いきなり目の前に現れたのはSS9機関車の前期型:後期型の重連。SS9は従来は東北方面の北京ーハルピン、瀋陽ー大連の電化に伴い開発された電気機関車で、初期型は1998年に製作され東北方面に配備されています。大連ー瀋陽ー長春ーハルピン間の客車の6割はこの機関車が牽引しています。カラーは蒼色を基本としたカラーリングです。
 後期型は2002年に製作され、こちらは2003年7月に秦瀋旅客専用線が開通されたとき使用された高速機関車で、北京ーハルピン、ハルピンー大連、北京西ー鄭州ー漢口ー武昌ー長沙の間で使われています。。赤を中心としたカラーリングで、Z列車の牽引機もこの機関車です。例えばSS9の120/1号機はZ15/6次:北京ーハルピン間を担当しています。 ハルピン駅で電化区間は終わりで、長春方面から客車を牽引してきた機関車は切り離され、ハルピン駅の裏側に続く陸橋の下で端っこまで行ってからハルピン機関区に回送されます。

 炎天下の中長春方面から来る列車はほとんどが途中の線路工事の影響か30分ほど遅れていた。牽引する機関車はやはり蒼色のSS9初期型だ。『緑皮車』 編成の車両が多かったが、東ドイツ製のRW24(軟臥)やRZ24(軟座)車両も連結されており、乗車してみたいと言う気持ちはあった。そんななか赤色のSS9が牽引する列車がやってきたが、時刻表には載っていない。 色はグレーで荷物車(XL25T)18両で『中鉄快運』と車両に書かれている。そういえばハルピン駅の広告で『中鉄快運:ハルピンー広州37時間』と鉄道を使った物流は速いですよとアピールをしていたがこれは同じ区間を走る特快(T238次:約39時間)より速い。ただ秦皇島から先、どこを経由して広州まで行くか分からないのが残念だが。

広州方面に行く荷物車

1548次、ハルピンー徳州行き

 撮影を開始してから1時間ほどたつが、死角の位置にいるのかそんなに鳴らされない。しかし午後3時頃になるとハルピン駅発車の列車の本数がガクッと減る。こちらだとハルピンから長春と牡丹江行きの列車は押さえる事ができる。また車両基地がすぐ側にあるので客車の入れ替えの際車両のチェックも出来る。しかし水も無くなり、しかも30分前からハルピン駅から)鉄道職員たちがやってきてゴミ拾いをはじめた。別に危険だから出て行ってとも何も言われなかったが、なんか視線が時々こっちに来るので完璧に不審者に思われているようだった。結局予定より早いけど、脱水症状を避けるためこの場を脱出した。

1472次徐州行き汚れている東風

牡丹江行きN3次快速、軟座あり荷物と客車が混合されている列車

 ホテルに荷物を取りに行って、ハルピン駅に向かう。このとき16時過ぎ。去年高級候車室は使えたが、今年はお金を払わなければいけない?去年はZ列車だったから利用できたのか?なのでフツーの軟席候車室に向かう。昼ごはんを食べていないのでパソコンと旅費だけ持って外に出る。金曜日なので移動する人が多いのか駅前には人だかり。みんな駅舎の日陰で固まっている。軟席候車室も実は人だらけなんだけど服務員のお姉さんの愛想がいいので座れなくてもいました。
 ここにいる乗客は軟座か軟臥か高包の乗車できる人たちなのでマナーはいいがツアー客が多く、どう見てもお土産買いすぎの乗客もかなりいた。ツアー客と全く関係ないんだけど ある乗客は絵画の山を持ってきて(画商でしょう)、乗車する際荷物をホームまで運んでくれるサービスの方(赤い帽子をかぶっているから赤帽)が大変そうだった。またロシアと国境を接している省なのでロシア人乗客も多い。黒河行きの臨時列車案内が出たとき、ほとんどのロシア人客はそれに乗って行ってしまった。
 黒河の黒竜江対岸にはロシア極東第3の都市『ブラゴベシチェンスク』がある。残された乗客は日本人1名(自分)とその他大勢の中国人。

 4時間以上待ち、20時30分過ぎようやく案内が出たが1番ホームじゃないので地下道をくぐって3番ホームに行く。今回乗車するT262次はかつて大連ーハルピンを結んだ「あじあ号」と同じルートを辿る。客車は大分変わってしまったが、それでも高級軟臥を揃えてくれるところがいい。しかし買った切符は『加1車』でイレギュラーらしい。T17/8次が高包の連結を外したからそれがT261/2次に流れて行ったかは不明です。
 この列車20年前の時刻表だとハルピンー大連間距離944キロのところ12時間かかっていたが、現在は9時間半と2時間半くらい速くなっているが、出来れば10時間クラスのままの方がよかった。明日の6時過ぎにはもう大連に到着してしまうので寝て終わりの列車です。昼間にも是非大連ーハルピン往復列車を1本追加してもらいたいです。でもそうしたらT71次と同じく使い回しの運命が待っていそうだが。

画商がこれから運ぶ絵画の数の多さT262次ハルピンー大連行き

 列車編成は16両編成で、1両が硬座のみ、ほかに軟臥2両、高包1両、食堂車1両、電源車1両、他は10両硬臥。乗車する高級軟臥(高包)は二人用2段ベットに個室トイレが付いているタイプだ。高包だから食堂車の隣にあり、食事には便利だし、服務員もまあまあレベルだったのだが相部屋となる乗客が最悪。コイツは『畜成金』で下段でくつろぐ自分に対し、「何でお前が下段にいるんだ?」と失礼な事を言ってきたため、

こっちは自力で買ったんだ、お前とは年季が違う!!


と答えてやった。しかも罵華だから礼儀が無く、いきなり室内禁煙なのにタバコを吸いながら携帯で大声で話す始末。もちろん嫌煙派の自分は激怒し、思いっきり睨みつけて「環境に悪いから出て行け!!」と罵華を追い出した。列車は既に発車したが、雰囲気最悪。罵華は服務員から切符を買った。「嫌なら軟臥にでも移ればぁ?」と助言を言ってあげたが畜はふて寝をしてしまった。
 煩いやつが静かになったので食堂車で晩御飯を摂るが、この時点の食堂車の従業員は厨房2人、ウエイター1人と営業時間が遅いため極端に少なく、こいつらも畜化現象に侵されており、無愛想、不親切の頂点に君臨にしていた。メニューは極端に少なく、飲み物も体に良くない白酒と地元のハルピンビールとコーラのみ。コーヒー紅茶は無し。隣の席が欧州団体さんだったが、動物が二本足で立っているだけのようなコックとウエイターは彼らの要求する言葉を理解しようとせず、ひたすら繰り返すテープレコーダーのように 「コーヒー没有」「紅茶没有」としか言えない。死んでも乗客のニーズに応えるというサービス精神は生まれてこないだろうなと感じた。ここまで罵華道が進んでいる食堂車なら最初から食堂車なんて連結しなくていい。「あじあ」の恥ですから。
 食後、部屋に戻ったら同室の罵華はソファーでくつろいでいたが自分の顔を見たらさっさとトイレに入り込んで後は欝な顔で上段に上がってしまった。さすが罵華だ!トイレを使っても流しもしねえぜ!!(後の利用する人のことを全く考えない、それが罵華道)


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