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鉄の屑作戦 T453次乗車記:瀋陽北 6.18(土)

蒸気機関車の奇跡/瀋陽

 

 T262次は朝6:30近くに大連駅に到着した。天気は良くなく今に雨が降ってきそうな天候だった。大連は中国東北の最大の港湾都市で遼東半島の最南端。渤海、黄海に面し、今でも東北経済の中心として街は発展を遂げている。本来なら1日ぐらいゆっくり大連観光をしたかったのだが時間が無く8時には瀋陽北行きの城際特快に乗らなければいけなかった。

上野駅のような大連駅駅舎綺麗な大連駅候車室

 大連の名称は日露戦争で勝った日本軍が付けたもので、大連駅駅舎の外観は上野駅のような雰囲気を醸し出している。大連駅の出口は地下だが、出口の隣に2階の入り口に行くエスカレーターがある。タクシーで駅に着く場合は2階で降ろされる。出口近くには朝ごはんが食べられるレストランのテナントが入っているのでそこにいた。店はすっごく綺麗です。
 駅舎に入って左手に切符売り場がある。これから乗車する列車はT453次大連ー瀋陽北行きの列車で、軟座に乗車するつもりでいて切符料金の電光掲示板を見ていたら、連結されている車両が軟座、硬臥(下段109元)、軟臥だった。 実は旅行前に料金をそれぞれ調べていたので始めはガセか間違いかと思ったら軟臥連結は本当だった。
 料金は軟臥下段162元。軟座(87元)の倍はするが車内の自由行動がかなり利くのでためらわずに買った。大連ー瀋陽北間の城際特快はT特快が3本、N快速が2本走っている。T特快には硬座は連結されていません。大連駅の近くには大連港もあり、下の階では客船の切符も販売していた。駅舎の奥内部はJRの大きな駅みたいな造りで、中国独特の「汚い」、「臭い」といった汚点が見れない。逆に軟席候車室の方は乗客ゼロで入りづらかった。

大連駅前のビル、経済が発展しているだけの実力を見せ付けてくれる大連駅地下一階にあるテナント

 7時半に案内があり、ホームに下りる。列車は12両編成でそのうち軟臥1両、硬臥2両、2階建て軟座4両、軟座K2両、軟座Z2両、電源車1両の編成で、カラーリングは白地に藍とある程度統一されていた。牽引する機関車は重連だったけどSS9とDF4Dの組み合わせで、不思議な組合せだ。隣には大連ー海拉爾(内蒙古)の普快が停車していたが車両は緑皮車で蒼のSS9が牽引している。
 普通城際特快だと寝台連結はあんまり聞かない。4時間程度の時間なら硬座と軟座で十分と考えがちだが、瀋大城際特快は違う。寝台は最低381キロ以上乗車でではじめて利用する事ができる。大連ー瀋陽北間は400キロあり、その条件は十分にクリアできる。また値段が162元と軟座の倍はするので買いやすい切符といえた。

TT453次のサボDLとELの重連

大連ー海拉爾行き普快発車を待つT453次

 T453次は8時に発車。すぐ右カーブがあり、車輪のこすれる音が車体の下から伝わってくる。軟臥の同室の人は起きているか寝ているか分からない人だった。発車して5分くらいで『周水子』という場所を通過するがここは『大連周水子国際空港』もあるので車内から左手に周水子空港を見ることが出来る。飛行機のフライトや到着も見ることが出来た。さらに進むと同じく左手に白色のディーゼル機関車を見ることが出来る。これはDF4を白く塗っただけなんだけど珍しい色だ。どこかの会社が管理しているのかもしれない。

白い機関車瀋陽北駅を通過する貨物列車

 大連からの主力幹線は瀋大線(瀋陽ー大連)である。戦前には南満洲鉄道の起点であったし、戦後も港湾都市と内陸都市を結ぶにのに必要不可欠である。大連駅から東北へ或いは途中から左に折れて北京方面に向かうが意外と北京行きの切符は買いづらい。あと1本昼間専用の特快も追加してもらいたいものだ。やはりこの線も貨物の需要が多いのだろう、5分に一回は貨物とすれ違う。この辺が中国鉄道の線路の限界で、新たに専用線を設けないとこれ以上のスピードアップは難しそうだ。そういえば大連ー瀋陽間に250キロ対応の旅客専用線が造られる計画はあるらしいが、スピード最優先にしないで安全性もきちんと考慮された実現化を目指してもらいたいものだ。

 列車は途中「大石橋」に停車する。この先すぐ北京行き方面の線路と分かれる。速度は大体100キロ前後。まあまあのスピードだ。この列車のサボには6種類の列車番号が書かれているため、構成車両は同じと見える。瀋陽北からも同じ車両が発車しているわけで、1日1往復半する。例えば朝大連発ならその日の運行は大連ー瀋陽北ー大連ー瀋陽北と言う順だ。軟臥なので疲れたときは横になる事ができる。軟座車両は先ほど述べた通り3種類あるが全部相向かい席。リクライニング出来ないのが辛い。乗車率は8割といったところか。

 やや12時を過ぎたが瀋陽北駅に到着。東京駅を模した赤レンガ造りの旧奉天駅(瀋陽駅)と違いこちらは近代的な建物で、テナントにはマックや吉野家がある。右隣には切符売り場があるが、瀋陽だと切符の購入はほとんどがネットで行なわれているためか、駅で販売している数は多くないそう。こちらが買いに行った切符は21日北京行きのK54次軟臥。そしたら窓口で明日来てといわれた。窓口販売だと発車3日前からの販売らしいが、K54次の切符販売状況を見るとそこだけ何もなかった。

瀋陽北駅前瀋陽北ー丹東のバスチケット売り場

 今回泊まるホテルは日本の東横ホテル系の『東陽閣IT飯店』で駅から徒歩3分、一泊の料金が150元と安く、しかもネット使いたい放題なのでそこに決めた。

 荷物を置いて休憩し、メールのチェックを終えたらすぐ出かける。目的の場所は「于洪苗圃」と言う場所で、放置プレーされている元瀋陽鉄道博物館の蒸気機関車群を見に行った。時間が無いのでクシーを使う。瀋陽鉄道博物館は2002年にリニューアルオープンされたが、その場所が今度花の博覧会みたいなイベントを行なう事になり、せっかく蒸気好きな日本人の有志たちがお金を出して建物建設に協力しても、所詮金を受け取るのは華畜職員だから日本人のお金は自分の懐に、あとは日本人の気持ちを踏みにじる行為を平気でやるのでした。

重連機関車牽引の長い貨物列車貨物2

機関車は全て布で覆われていた見れない、残念!!

 場所は瀋陽環状線(勝手につけた)の西方面に「于洪苗圃」というところがあり、情報だとここに機関車群は放置されているはず。ここまでタクシー(瀋陽北から25元)で瀋大路と線路が交差する陸橋で降りて、線路に進入しずっと北上して行く。ここは長編成の貨物が頻繁に通過するので面白いといえば面白いが、長さが半端ではないので通過するのに時間がかかる。 線路脇を右方向にずっと北上していくと工事している場所っぽいのが見えるのでそこにいくと機関車があるのだが・・・残念ながらずべて布で覆われていて、どれがどれだか分かりません。また敷地内には立ち入る事ができないので、遠くから涙を呑んで見るだけ。帰りは当たり前だけど、頭を冷やすため途中まで歩いて帰りました。

踏み切りもない線路で貨物の出し入れが行なわれる歩いて戻る途中貨物と遭う

 帰りは途中からタクシーに乗って、撮り鉄できるところまで連れて行ってもらう。重工北街から勝利北街のあいだにメインである北一路というのがあり、結構幅があるが、奥に工場がたくさんあり、本線からの引込み線も多く、踏切がないのに貨車が道路横断する事もよくあるようで。そのなかで煙を吐いているモノをみました。ディーゼル牽引の引込み線も先ほど見たので始めはまたディーゼルかなあと思いましたがそいつは黒いものだった。

オヤジィ!!車をそこに停めてくれぇぇ!!

と待たせてもらってダッシュ。現場には警備員がいたが、何とか説得して敷地内に入れさせてもらった。 『上游』蒸気機関車を発見した。しかも車庫に入る直前。サンキュウ神様アッバース・アクラム!!今回は超偶然の奇跡です。時間は15:45です。

蒸気発見!!我々はこの機関車を知っている!!

 気前を良くして瀋陽北駅付近(皇姑屯駅)でタクシーを降りたら道に迷い、線路伝いに行けばホテルに戻れるだろうと歩いていたら突然開ける場所があったので、そこから線路に進入できた。列車はそれなりに来るが、とにかく300メートル先から鳴らされる。煩くてかなわないが2時間程粘って撮り鉄を敢行し、そこそこの収穫が出来たのでホテルに戻った。明日はいよいよ撫順観光。何が待っているか楽しみです。

T188次瀋陽北ー深セン行きT456次ハルピンー大連行き

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