[ 中国鉄道倶楽部 ][ 中国鉄路旅行記 ][ みんなの旅行記 ]

上海ー南昌、K287次乗車記

05年3月11日乗車 著者:オオハラ様

*文章および画像は著作者にあります。したがて無断使用は厳禁!!


上海駅に向かう杭州方面からの快速(イメージ)

 【中国夜行列車3連発】

以前から中国には何度か行っているものの鉄道は北京・天津間、上海・南京間と城際特快しか乗ったことがなかったので、ぜひ一晩以上走る列車に乗りたいと思ってました。そしてちょうど上海の復旦大学に1ヶ月の語学研修に行くことになったので週末を利用していくことにしました。

【1、K287(上海→南昌)3月11日】
 最初はどこに行くか迷いました。北京語言大学に本科生入学した知り合いがいたので、北京には行くつもりでしたが、3回行ったことのある北京と上海の間を直達特快で往復はつまらないので、まず別の都市に行った後北京に向かうことにしました。候補としては長沙・武漢・南昌が挙がりました。今思うと直達のある長沙・武漢が妥当だったでしょうが、周恩来が好きだからという理由で南昌蜂起の舞台だった南昌に決めました。

 切符は3日前に上海駅の切符売場で買いました。当日の切符売場が離れたところ(駅舎内)にあるのでこの切符売場は空いている印象があります。「3月11日、K287上海→南昌、軟臥下鋪1張」と書いた紙を見せて買いました。お金を払って発券された切符を渡されると財布に大事にしまいました。

 当日は授業終了後部屋でシャワーを浴びてから路線バス(942系統)で上海駅に向かいました。駅の北広場に到着後地下鉄のコンコースを通り南広場沿いにあるマクドナルドで昼飯とも夕飯とも言えない食事をとりました。
 16時頃、軟席候車室に入りました。朝早い列車だと改札開始頃に行きますが、夕方だとここに長時間いるので暇で仕方ありません。
 湛江行きの快速、懐化行きの普快に続いて17時30分ごろ改札が始まりました。エスカレーターを上りコンコースからホームに下りるとまず車両の写真を撮りました。車両はもちろん25G型です。写真を撮った後列車員に切符を見せて乗車しました。

荷物を積み込むK287次K287次の軟臥服務員
 乗車して自分の寝台に荷物(ホテル宿泊予定はないのでリュックだけ)をとりあえず置き、いろいろと眺めていると他の乗客が乗ってきました。
 50歳くらいの2人組と30歳くらいのビジネスマンです。30歳くらいの人が「どこに行くんだ」と聞いてきたので「南昌」と答えたら「帰郷か」と言われました。
 「日本の大学生です」と言ったらさすがに驚いていました。発車後検札に来た列車員もパスポートを見て驚いていたのでまあ南昌に行く日本人なんてあまりいないんでしょう。しかし中国の列車の中で初対面で日本人と思われたことがありません。

上海駅軟席候車室上海駅ホーム
軟臥内部  17時50分、列車は定刻どおり上海駅を発車しました。よく考えてみたら寝台列車に乗るのは99年8月にカシオペアに乗って以来5年半ぶりです。列車は上海西駅を過ぎると杭州方面の線路に入ります。
 次第に遠ざかる上海のビル群を眺めていたら車内販売が套餐を売りに来ました。が、食堂車に行くつもりだったので買いませんでした。これに後々後悔します。早春ということもあり1時間ほどした頃には真っ暗でした。その後松江・嘉興と停まり硬座車両に無数の乗客が押し込められていきました。

 20時35分、杭州に到着。折江省の省都だけあってネオンが瞬き華やかです。食事にしようと思い列車員に場所を聞いたらなんとこの列車には食堂車がありませんでした。マクドナルドで食べたからいいもののさすがにお腹が減ったので仕方なくカップ面を買って食べました。辛かったです。

 銭塘江大橋を渡って南下し23時23分に金華西に着くまでは起きてましたが、その後は寝ようと努力しました。が、結局興奮して起きたり寝たりを繰り返してました。上海や杭州のような大都市はネオンサインが瞬いてますが金華など中国の地方都市は街灯が少ないので寝静まりかえった町はまるでゴーストタウンのようです。
 電化工事の影響でしょうか、至る所で減速・停車を繰り返します。旅客列車や貨物列車と幾度となくすれ違います。すれ違う機関車のエンジン音や列車からこぼれる明かりを感じながら、なぜ自動車・地下鉄などは右側通行なのに鉄道だけ日本と同じ左側通行なのだろうとつまらないことを考えました。

 翌朝は5時過ぎ鷹潭に到着するときに起きました。まだ真っ暗ですがこの駅で50代の2人組が降りていきました。その後、徐々に明るくなってきたのですが天気は最悪でした。3月も半ばだというのに雪でした。
 途中信号待ちで停車した駅の誰もいないホームでオーバーを着込んだ駅員が赤い旗を挙げていました。汽笛を鳴らしながら再び発車します。列車は大きな弧を描きながら京九線に合流し今度は北に向かいました。

南昌駅駅舎騰王閣、周りを包み込む青い空気が寒さを感じさせる
 結局、雪のせいか工事の影響の減速・停車のせいかわかりませんが、30分遅れで南昌に到着しました。その後は吹雪の南昌市内を徒歩で回りました。
 人口数百万の大都市で遭難を考えるのは生まれて初めてです。結局、バスで武漢へ移動し武昌か漢口から直達特快で北京西へ、は断念し直接北京へ行くことにし街中の切符売り場で手数料5元を取られながらも168次特快(T168)南昌→北京西の軟臥上段切符を買いました。当日ですが軟臥は上段・下段共に、硬臥は上段が買えました。
 その後も午後3時くらいまで「南昌死の彷徨」は続きました。ホットココアを飲むため二度入ったマクドナルドはこの世の天国でした。入るなり店員はホットココアを勧めてきます。南昌市民も寒さに余り慣れていないようです。
(T168に続く)

↑ページの一番上へ     次へ(T168次乗車記)
  

[ 中国鉄道倶楽部 ][ 中国鉄路旅行記 ][ みんなの旅行記 ]

Copyright (C) 2004-2006 borgen. All Rights Reserved.