[ 中国鉄道倶楽部 ][ 中国鉄路旅行記 ][ みんなの旅行記 ]

南昌ー北京西、T168次乗車記

05年3月11日乗車 著者:オオハラ様

*文章および画像は著作者にあります。したがて無断使用は厳禁!!


DF11牽引の特快列車(イメージ)

【2、T168(南昌→北京西)3月12日】

 あまりの寒さに15時過ぎには駅周辺にいました。駅構内の公用電話で親に国際電話をかけたあと軟席候車室に行き2時間半居座りました。
 それほど広くないせいか混みあっています。ビジネスマンでしょうか、黒人の方が1人います。この旅で外国人を見たのは初めてです。狭いせいか掃除も行き届いていてトイレもそれなりにきれいでした。

 17時頃、広州東行きの特快の改札が始まり大勢の人が出て行きました。さっきの黒人もホームへと消えていき再び部屋にいる外国人は自分だけになりました(たぶん)。

 18時、T168の改札が始まり自分も行きました。1番ホームなので階段を上がる必要はありません。車両は25K型で高級軟臥1両と軟臥2両が連結されています。高級軟臥と軟臥1両の廊下は無機質な白色でしたが、自分の車両は扉の廊下側が木目調で落ち着きと高級感を感じます。軟臥のテーブルには南昌鉄路局運行列車の紹介冊子と造花に加えて、人数分の紙コップと歯ブラシセットが置いてありました。

 このサービスは後にも先にもこの列車だけでした。

 紹介冊子を見る限り、この列車は南昌鉄路局の花形列車のようです。しかしこの列車があるにもかかわらず向糖・長沙経由の北京西行き特快(所要時間23時間)があるのは京九線がなかった頃の名残でしょうか。

T168次軟臥通路T168次軟臥

 18時20分、列車は極寒の南昌を定刻どおりに発車し北への旅を始めました。九江を出ると長江を渡りますが、暗くてわかりません。ただ道路橋の明かりに水面が照らし出されているのはわかりました。

 21時48分、麻城に到着したのですがトイレに行き忘れて廊下で悶えてました。2分の停車時間が非常に長く感じられました。耳を澄まして聞いていると先頭の機関車が警笛を長々と鳴らし続けています。冬の澄んだ空気に響き渡って幻想的です。が、そんな感傷に浸っている暇はありません。列車員が鍵を開けたトイレにダッシュで駆け込みました。
 万全を期すために鍵の開け閉めは2重でするようで、用を足している最中に鍵を開けられてしまいました。さすがに1日の疲れが出たのか早めに寝ました。

 翌朝は6時くらいに起きました。すでに衝水を発車しており次の停車駅は終点の北京西です。外はまだ真っ暗でしたがその後次第に東の地平線が白みだしてきました。列車は北へ向かって時速147キロでひたすら走り続けます。そしてついに日の出。その瞬間、水不足で渇ききった華北の茶色の大地が金色に輝いてました。自分の車両の廊下は西側なので自分も含めて乗客は遠く山西の山を眺めながら朝の歯磨きをしていました。

北京西ー済南行き普快  車窓から見える農村はロバが引く馬車が行き交ったりとのどかなものです。ただ道と民家の間にある用水路が干上がっていて中世城郭の空堀のようです。水不足は深刻ですね。 次第にビルが増え始め列車も減速します。そして7時50分定刻どおりに北京西駅に到着しました。

 下りるとホームの向かい側の線路を「蛍の光」が流れる中、済南行きの普快が出発していきました。その後先頭の機関車(DF11)の写真を撮り駅を出ました。半年振りの北京の印象は暖かいということでした。きれいな青空で気持ちよかったです。

 駅を出て流しのタクシーをつかまえて語言大学に向かいました。全人代と協商会議が開かれているせいか復興門外大街は警官がたくさんいます。その後大学に着いてからは連絡先・寮の部屋がわからない知り合いのいる場所を探すのに苦労しました。何とか発見した時は感動しましたね。その後大学近くの切符売場でZ1の切符を買い知り合いと分かれました。(Z1に続く)  


↑ページの一番上へ     次へ(Z1次乗車記)
  

[ 中国鉄道倶楽部 ][ 中国鉄路旅行記 ][ みんなの旅行記 ]

Copyright (C) 2004-2006 borgen. All Rights Reserved.