シルクロード:南彊線5805/8次乗車記
クチャ→ウルムチ
05年9月乗車、著者まさき様
*文章および画像は著作者にあります。したがて無断使用は厳禁!!
クチャで2日間観光したあと、5808/5次でウルムチまで移動します。
軟臥に乗りたいと思い、クチャ国際旅行社に電話をして手配をしておきました。
で、実際に旅行社に切符を受け取りに行くと、「アクス⇒ウルムチ」の切符の
「コピー」を渡され、「これで改札入って」と言われました。
「は?切符はいつくれるんですか?」と言うと、「君の切符を持った弊社の係員がわざわざ
アクスまで行って始発駅から乗って来る。クチャで係員が降りるから君は係員と交代で乗れ」
と言われました。
そんな事までしてくれなくても、切符だけ渡してくれればクチャから途中乗車するから さー、と 思ったのですが、中国鉄路の規則の一つに「発車後、1時間経っても未使用の寝台は
売っても良い」という規定があるらしく、下手に途中から乗ったら誰かに取られてい た、 という可能性もあるわけで、旅行社の係員はそれを防ぐためにわざわざ寝台を
キープしていてくれたのでした。
ちなみに、日本では1枚の切符で途中で客が入れ替わるというのは認められておらず、
こんな事はできません(というかする必要もない?)。
果たして切符のコピーで改札を通れるかどうか不安だったので、念のために
メモに事情を書いておき、係員に切符と一緒に見せることにしました。
5808/5次のクチャ発は22:48。 21時半頃に駅に着き、待合室に入りました。
ここでも日本人団体を見かけました。
クチャ駅は小さな駅で待合室も
大きくなく、窓口では硬座切符のみ販売しているようでした。売店には
旅行カバンも並んでいましたが、駅まで来てからカバンを買う人なんているんでしょ
うか?
時間が近づくと、駅員が待合室の中を回って検札を始めました。
切符のコピーとメモを見せると、黙って行ってしまいました。
検札が全て終わらないうちに改札が開かれ、待っていた客が一斉にホームへ
入りました。このどさくさに紛れてホームへ入ればメモも不要だったかもしれませ
ん。
ホームは1面だけで上下線共用。側線が何本かあり、貨物列車が停車していました。
定刻に列車が入線。機関車はDF4、客車は平屋の25Gでした。9号車(軟臥車)
の乗車口で待っていると、旅行社の係員らしき人が降りてきて私達に舗臥票をくれ、
列車員に何か言って去っていきました。列車員に「入ってすぐの部屋だ」
と言われて代わりに乗り込み、引継ぎも無事完了。
私達は33/34番の寝台で4人部屋の片側の上・下段。
日本人の団体ツアーも軟臥を押さえていたらしく、私達に続いて大量の
日本人が乗り込んできました。同室の中国人も驚いたようで
「君らもあの団体の一員か?」と聞かれましたが、「関係ない」と言いました。
団体はどうやって軟臥をキープしていたのか気になるところです。
時間も遅いし、真っ暗で何も見えないので荷物整理をして、次の輪台駅を
出たところで寝ました。
翌朝、7時半に起きるとまだ真っ暗。8時頃にようやく日が出てきました。
南疆線のカシュガル〜コルラ間は砂漠ですが、コルラ〜トルファン間は
山越え区間。
寝ている間に車窓は山岳路線に変わっていて、窓から顔を出して外を見ると
機関車も重連になっていました。駅の数も多くなり、末端区間では約50kmに
1ヶ所だった駅もこの付近では10kmに1ヶ所程度はあります。と言っても
駅付近には小さい建物が数軒建っているだけで何も無いに等しく、信号所のようにも
見えますが、時刻表によると慢車は全ての駅に停車するようです。
餐車に朝食を食べにいきました。稀飯套餐と牛肉面があり、どちらも6元。
稀飯套餐を取りました。餐車はN948次と違って間接照明で、掃除も行き届いていて
大変綺麗な車両でした。が、相変わらずガラガラ。
トンネルをいくつか抜けると峠を越したらしく、今度は下り勾配になりました。
ここまで来ると貨物列車も多く、運転停車が増えてきました。中には西域で
使うのか、バスを積んだ貨車もありました。 各交換駅のトルファン方には、
万一列車が下り坂で暴走した際に突っ込ませるためか、ジェットコースターばりの
急勾配をもって山の方に分岐していく安全側線(?)が備えられていました。
10時前に、約3時間ぶりの停車駅、魚児溝に到着。ここで補機が切り離されまし
た。
10時前といっても新疆時間ではまだ8時なので太陽も低く、多くの乗客がホームに
出て体を伸ばしたり太極拳をしたりしていました。砂塵で窓が汚れていたので掃除した後、
最後尾車両まで行って編成を観察。
1〜7号車はYZ・8号車はCA・9号車はRW
・
10〜18号車はYW(14・15号車は欠車)・最後尾がKDでした。
突然、乗客が車内に吸い込まれたかと思うとステップが次々に上げられてしまい、
慌てて近くの硬臥車に飛び乗りました。
危ない危ない。
車内を通って自分の車両に戻りました。途中の駅でトルファン→ウルムチの
8871/4を追い越し。Ωカーブでどんどん高度を下げていると、放送でトルファンでの
乗り換え案内や観光案内が流れてきました。トルファン到着には少し早いなと思って
いたのですが、
トルファンに15分も早着しました。かなり余裕時間を持っているようです。
ここで日本人ツアー客は全員下車。
トルファン駅の旅客ホームは2面3線。駅舎に隣接して1番線(1站台)、2站台との
間に
ホームのない中線(2番線)、そして2站台を挟んで3番線・4番線となっていまし
た。
4番線の外側にも更に側線があり、貨車が停車していました。2番線には
「トルファン−アクス 臨客L517次」のシール製サボを出した25Kが停車中。お、臨
時列車の方が
いい車両とはこれ如何に。しかし、サボは破れかかっており、編成の真ん中にXLが
挟まっていたりしたので、単に余っている車両を集めてどこかに回送している
途中なのかもしれません。
そこへ、3番線に「南昌-[旅遊列車]-ウルムチ」のサボを出した25Bオンリーの団体
列車が
到着し、吐き出された団体客で2站台は一気に人であふれました。
トルファンで25分ほど停車し、定刻にウルムチへ向けて発車。ここから蘭新線へ入る
のですが、
南疆線はトルファン駅で蘭州方向に接続されているので、南疆線からウルムチへ向か
う
列車は全てトルファンでスイッチバックすることになります。
我が軟臥車はほとんどの客がトルファンで降りてしまい、10人ほどしか残っていませ
ん。
午餐も餐車へ。例によってガラガラ。服務員に「日本人?韓国人?」と聞かれまし
た。
芹菜焼肉、豆腐、米飯を取って2人で24元。
トルファンからウルムチの間にちょっとした峠があり、1000mほど登るので
ずっと上り勾配が続いています。さすがに蘭新線は複線で、列車もそこそこの
スピードで快調に走っていました。次の提速に向けてか、あちこちで線路の改良を
やっていました。殺風景な岩山をくりぬいたトンネルを抜けると、湖があったり、
風車が林立していたり、とちょっとしたオアシスのような雰囲気。
トルファンとウルムチの間にも駅がいくつかあるのですが、時刻表にも載っておら
ず、
慢車も特快も所要時間がほとんど変わらないので、今は客扱いはしていないようです
(98年の時刻表によると、当時は各駅停車もあったようです)。
車窓に建物が増えてきて、もうすぐウルムチかという所で烏拉泊という駅(ウルムチ
の
一つ手前)で運転停車。早く着きすぎたのか、時間調整をしているようでした。
10分ほど停車していたようですが、それでもウルムチには3分早着。
駅前のホテルに部屋を取り、バスでT70次の切符を頼んでいた旅行会社へ。
硬臥を頼んでいたのですが、下段は取れなかったと言われ中段になりました。
切符代は631元。手数料を含めて730元と言われましたが、手数料は
シーズンにより70〜200元と言われていたので99元ならまぁ許容範囲でしょう。
市内を観光したあと駅へ戻り、翌日の1086次の切符を購入。
こちらは次の話へ移ります。
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