T236次乗車記:広州東ー哈爾濱行き
05年8月28日〜8月30日乗車 著者:オオハラ様
*文章および画像は著作者にあります。したがて無断使用は厳禁!!
8月25日、関空発の中国南方航空で広州に向かいました。広州での3泊のみ親と一緒なのでホワイトスワンホテルで豪奢な生活です。空港到着後バスとタクシーを乗り継いで、ホテルで成田から来た親と合流し、すぐに切符を買いに広州東駅に向かいました。
今思うと広州駅のほうが電光掲示板もあってわかりやすかったのですが、乗車駅が東駅なので駅の構造を知っておこうと思い行きました。(ただ2日後に広深鉄路で深センに行ったので行く必要なかったかも)。
親と日本語で話しながら並んでいたので、割り込まれそうになりましたが、押しのけて「8月28日、T236広州東→ハルビン、軟臥1張」と書いた紙を出して切符を買いました。そして切符を見てみると10車01号下鋪。なんとまだ1枚も売れていないようでした(ちなみに乗車当日空港で親を見送った後、バスで広州駅に着いた時掲示板を見たらまだありました)。
買うまでは買えるかかなり焦っていたので結構驚きました。
当日は重い荷物を持って暇をつぶすのに苦労したあと軟席候車室に移動し改札を待ちました。改札開始後、車両に移動。軟臥は四方製でした。若干古い感じで廊下は白地で味気ないですが、室内の壁は木目調でまた窓の上には液晶テレビが付いてます。
乗務員は今まで乗った列車とは打って変わっておばさんと男性が多かったです。(仕事に対する姿勢は最悪)。
18:27、定刻どおりに発車。広州駅通過まで低速で走行後加速し、広州のビル群を離れていきました。同室の人たちは向かいの下段がハルビンの大学に入学する女の子、上段が同じく大学に入学する男の子とその父親でした。
女の子の母親は隣の部屋だったので自分がいなかったら同じ部屋だったのでしょう。しかし時期が時期なせいかみんなに「大学に入学しに行くのか」と聞かれます。自分は見た目が完全に中国人のようです。晩御飯は事前に買ってあったカップ面を食べ、10時くらいには寝てました。
翌朝、起きるとちょうど武昌駅に停車中でした。これなら長江大橋を渡るところが見えると思ったのですが、二度寝してしまい気付いたら漢陽駅を通過中でした。後になって気付いたのですが、途中衝水でホームに降りた以外は軟臥の車両から1歩も出ていません。というより部屋からもあまり出ませんでした。そのせいか車内販売の弁当が来ても気付かないので、食べるものがなくなりえらいお腹が減りました。
信陽・鄭州と停車し安陽で反対方向のT235とすれ違いました。本当はこんな所ですれ違わないのですが、自分が乗っている列車が1時間遅れていたので仕方ありません。信陽の時点ですでに遅れてたのですがどこで遅れたんだか。しかしこの頃は他の車両に見物に行ってないこともあり、一番暇をもてあましていました。石家庄を出たあたりで「蝉しぐれ」を読み終わってしまうほどです。
石家庄を出ると京広線を離れ一路東へと向かいます。(路線名はわかりません)1時間半遅れで衝水に到着。ここで初めてホームに降りて売店で買い物をしました。しかし乗る時に寝台証のチェックもありません。車内で不自然な動きをしていると列車員達は見せろといってくるので、顔触れを把握しているとは思えないのですが・・・。
衝水で京九線と交差するわけですが、この駅でスイッチバックし長く続くカーブと上り坂で京九線と別れを告げます。いつのまにか牽引機関車はDE4Dに変わっています。次第に辺りはすっかり日が暮れ、天津に着くころには真っ暗でした。天津駅のホームにある電光掲示板を見たら1時間20分遅れと表示されています。これ以上空腹になるわけにはいかないので早めに寝ました。
深夜1度起きましたが、かなりの高速で巡行していたような気がします。
翌朝、起きるとちょうど長春駅に着くところでした。不思議な事に1時間20分あった遅れは20分にまで縮小されています。
長春出発後、車内販売の人が朝食の套餐を売りに来たので買いました。内容はお粥と割り箸の刺された饅頭、野菜とハムの炒め、煮卵2分の1個。饅頭に箸を刺すとはさすが・・・と思いました。
そんな中も列車は北を目指して走り続けます。牽引機はSS9型に変わっています。景色はまるで北海道のようで、北斗星に乗った15年前を思い出しながら(当時5歳でしたが)車窓の景色を楽しみました。
そしてハルビンの一つ手前の停車駅である双城塁で漢口行きの特快とすれ違い、約10分の遅れでハルビン駅に到着しました。ホテルは始めての1人旅で親に2つ星以上と言われていたので、昔大和ホテルであったという理由で駅前の龍門大夏にしました。ハルビンはロシア風の建築物が多くエキゾチックな感じがしていい町でした。
結論から言うとこの列車は(中国で3番目に長い距離を走るのに)ただ長距離を走るというだけでいまいち魅力に欠けます。
列車員は服装から仕事ぶりに至るまでだらしなさの塊ですし、トイレもデッキも汚いのは放置プレー。極め付きには勝手に客室に入ってきて室内のコンセントで携帯電話の充電をする始末(たまにメールチェックに来ていた) 。
またこれは自分の問題ですが、今回の旅行のハイライト的存在であるにも関らず最初にもってきたのが問題でした。久しぶりの中国でしたからなかなかアクティブになれなかったですし、同室の人たちともあまり話せませんでした。
列車情報:T236次:広州東18:27-哈爾濱9:17。距離3646キロ、約39時間。硬座355元、硬臥640元、軟臥985元。
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