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芭石鉄道

2005年 5月5日(木) 健為に着いて芭石を望む。

黄村井で機関車を入れ替える

6:00に起きて、準備をする。
7:10チェックアウト。
7:15、バスに乗る、1路から人民路3段で78路に乗り換え(成都南方向へ)。
7:50、そのまま終点「石羊客運」到着。
8:05、成都ー健為高速バスに乗る(約3時間、40元)。バスは金龍、シートがレザーシート。
9:50、楽山市を通過。a江ぞいに走る。
10:45、健為(南門站)に到着。
11:15、メイン路の鳳凰路で銀珠賓館に到着(一泊70元)。場所は南門站と北門站の間の北門站寄り。
11:50、北門站からボロバスに乗って石渓に逝く(3元)。

石渓(嘉陽)石炭工場歓迎光臨芭石鉄道

 健為から石渓間のバスは北門站から大体10分おきに出ている。料金は乗車時に運ちゃんに払う。バスは発車後、恐ろしいく遅い速さでのろのろ運転。排気規制でもあるのか?と思うくらいスロー。だいたいチャリに抜かされるのが我慢できない。運ちゃんに速く出せ!!と急かしてようやくロータリー循環の坂道でアクセルを踏み込んだ。

 バスは動く震災体験車のように、ガタゴトよく揺れるなアとa江沿いを喘ぎ喘ぎ走ります。a江の対岸に先ほど楽山から来た道があります。ここも街外れになると、煤色が混ざった建物があわられてきます。
 今回訪れる芭石鉄道も本来は石炭を運ぶ鉄道として1959年に開通されました。が赤字のため去年の3月に廃止が決定されていました。しかし道路建設のために鉄道が使っていたトンネルを大きくするとこれまた大金がかかるのでしばらくは様子見という事で2005年5月はまだ芭石鉄道は走っています。

 芭石鉄道は石渓から芭溝〜黄村井まで19.84キロの距離をミニSL、C2型蒸気機関車(小火車頭)が地元民の足としてマッチ箱のような可愛い客車を牽引し、1日4往復走っています。大灰廠と同じ機関車です。ミニSLだから「ナロー」ということで、SLファンとナローフアンにはたまらない場所です。やはり毎年それなりの外国人が訪れていると聞きます。
とりあえず乗る地名は石渓ですが、駅名は「嘉陽駅」です。だからバスの運ちゃんに「嘉陽駅」で降ろしてくれと言わないと、とんでもない所で降ろされます。嘉陽駅は道路から山方面にあり、何処から上るか地元民に「火車站どこ?」聞けば教えてくれます。

放置プレーの機関車機関車を掃除する機関士

 12:20に嘉陽駅に到着。階段を一気に駆け上がったので、もう累死了(疲れて死にそうだ)の状態。ホームは閑散としていて、地元民が軒下でトランプ(警察公認の賭博)をやっている程度だった。線路の反対の建物は駅員宿舎?で壁には「歓迎乗坐嘉陽小火車」のメッセージと大きな写真が飾られていた。まるで「地元の鉄路を観光地かにしようじゃないか」と意気込みはあるみたいだ。
 奥にSLが停まっていたので行って見る。機関士がSL単機を掃除していた。ただこういった掃除風景は滅多に見れるものじゃないから貴重な1枚になった。またホームの隅でC2の模型や芭石沿線風景の写真を販売する人もいた。ホームでも商店が4件ほど並んでいる場所です。アイスクリームが売っていたので、蒸し暑い日には助かりました。

12:35過ぎ、沿線風景を見て周る。高台にあるのでa江の眺めは最高だが、煤の街だから空気はよくない。線路の側の丘に登ったが、雨が降った直後かぬかっていたので、登って撮影する気をなくした。
C2が来るゴゴゴゴゴ・・・

12:38、汽笛とともにSLがやってくる。ほんとにカワイイ大きさのSLだ。ギシギシ貨車をいや客車を牽引しながらカーブを曲がっていった。それにしても走って追いつくのでそのスピードはまあこんなものである。
12:40、SLは嘉陽駅に到着。その直後、石炭貨物を牽引した電気機関車が後ろからやって来て、乗客を降ろす客車を横目に工場の奥に消えていった。SLはすぐ切り離され、引込み線で石炭を積んでいた。
12:50、嘉陽駅駅舎から鉄道職員?らしき人たちがゾロゾロやってきます。制服はやや明るい感じでした。去年変わったようです。意外と年齢は若そうでした。あきらかに20代に見える人もいた・・・。

乗客が降りていく客車の内部、消毒剤が撒かれる マッチ箱の客車当たり前だけど電気は通っていない 外人はここに乗る

 ところで切符は何処で買うんだろう?とおもい駅員に聞いたら、列車長らしき人のところまで案内されて、外国人?と聞かれて、15元といわれた。何処に乗車するの?と不満な顔をしながらきいたら「工作車」と指を刺して、外国人用の特等席だと教えてくれた。他に客車の中には1両だけ長い車両がありましたが、これは行商を行う地元民達の専用車です。
 地元民の手にしている切符を見ると、高くても5元ぽかった。が「ぼられている」と考えてはいけない。廃止撤回の援助だと思えば安いものです。切符を販売してくれた方は感じのいいおじさんでした。乗車中あれこれこの列車について教えてくれました。

 汽車は14時に発車。さきに空になった貨車を牽引して電気機関車が先行していった。運転している人は旦那さんと奥さん関係の人間なのか、まあ平和そうでした。果物を口にしながらデッキに立ている風景なんで日本じゃもうみれません。石炭運送のため、嘉陽ー躍進間は電化されています。

唯一の電気機関車貨車を空にして出て行った

自分はこちらのサイト1  の情報を基に今回、この地を訪れたのだが、午後の時刻表は合っている様です。

参考までに:石渓(嘉陽駅)発車の時刻表・・・7:30、10:00、14:00、17:30

回送中の蒸気機関車蜜蜂岩まではこの状態

 14時に発車。力強い汽笛でギィギィと列車は発車しました。自分が乗車した工作車は自分とあとは職員2人、乗警(いらねー)2人が乗車していただけであった。つくりは貨車を改造して、ベンチを置いただけなのである意味硬座よりもきついかもしれません。2軸の車輪だから台車にバネはついていません。振動が直に来ます。突き上げ感というやつですか。道路工事の場所をずっと走っているような感じです。また窓も単純に開け閉めだけの機能で、閉めれば真っ暗になり、あっという間に蒸し暑さが広がります、が贅沢を言ってはいけません。こういったマッチ箱に揺られていくSLの旅はなかなか出来ないのですから。
 乗警はさっそく寝ています。寝るのが彼らの仕事です。慣れているんでしょうね。乗客のほとんどは観光客と地元民ですが工作車には乗車できません。

列車は途中、大橋、躍進、蜜蜂岩、菜子バ(土編に覇=土覇)、仙人脚、焦バ、芭溝、黄村井に停まります。蜜蜂岩で蒸気機関車をスイッチバック(方向転換)して、菜子バは駅の手前でΩカーブがあるので列車を撮影するのに絶好の場所です。

 SL上り下りに関わりなくのんびり走ります。19キロのところを1時間半近くかけて走るので速すぎず遅すぎずと言った感じです。車両に電気は付いていませんので、トンネルに入ると真っ暗になります。また煤が結構飛んでくるので髪の毛がボサボサになり、下手にかおを拭かない方がいいです。
 菜子バのカーブは芭石鉄道のなかでも屈指の風景のいい場所です。段々畑と水田(棚田)の世界が広がり、丁度新苗を植え終わった感じでした。Ωカーブがあるところなので撮影のために外から入ってきて1時間待ちならやってもいいです。

躍進駅菜子バ手前のΩカーブ Ωカーブの棚田風景芭溝に到着

 列車は15:20に到着しますが、25分にはまた発車します。一度降りればよかったのですが、本日中に嘉陽駅戻りの列車が分からなかったので(聞けば簡単だったのに・・・)、またお金を払ってそのまま石渓に戻ってしまいました。自分のところは欧米人と香港人?が増えましたが、他の客車は込んでいるバスのような感じでいた。

黄村井に到着従業員の記念撮影 機関士さんサービスがいい中国人蒸気迷

 列車は16:50に出発地点に到着。中国人鉄道ファン?たちがカメラを持って待ち構えていました。中国人鉄道迷たちが乗務員たちにお願いして乗務員さん集合写真を撮ることになり、自分も混ぜてもらいました。乗警の1人が、自分が日本人と知って一冊のノートを見せてくれました。 それは今まで芭石を訪問した外国人旅行客が記念に書き残していったノートでした。
自分も今日の乗車についてノートに書き込みました。鉄道存続のために観光地化を目指しているだけあって、サービスはなかなかのものです。みな愛想がいいし。

機関車デッキに立ってみた、狭い17時過ぎ最後の発車を見送る

17:30、終電の発車を見送り、あとは階段を下りてバスを拾って、健為のホテルまで戻りました。

 芭石は今回初と言う事で様子見も兼ねた旅行だったので、走っている沿線風景があまり撮れなかったのが残念でした。次来たときは、Ωカーブにさしかかる列車を撮影してやろうかと考えています。

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